2013年12月15日

ナマコは内臓も食材になり、捨てる部分はほとんどなし

 食用となる生物のうちで、グロテスクだと思うものはなんですか、と訊きかれたら、タコかナマコと答える人が圧倒的に多いのではないでしょうか。見た目と味は別物ということかと思いますが、ご存じのように、どちらも食材として立派な地位を築いています。
 ナマコは世界でおよそ1500種、日本近海で180種が棲息します。通常、一般的にナマコという場合はマナマコをさします。ずんぐりしたカマボコ型の体形で、腹にはヒトデの裏側にあるのと同じような管足が、そして背中にはトゲがびっしりと生えています。体長は30センチほど。これが海底を時速5メートルほどの速度で移動します。
 ナマコは暑さが苦手で、活動が活発になるのは海水温が低くなる秋頃から。冬、特に今頃の時期には活動が盛んになります。あと1週間ほどで冬至になりますが、もっともおいしいとされるのはこの時期のもの。「冬至ナマコ」と呼ばれて珍重されます。また、ナマコには、身が軟らかめの青ナマコと、コリコリとした歯ごたえの赤ナマコがあり、関東では青、関西では赤が好まれるという傾向があるようです。
 ナマコは捨てる部分がほとんどなく、内臓も食材として利用されます。内蔵から腸管を取り出して塩漬けにしたものがコノワタ、卵巣を乾したものがコノコという、いずれも珍味とされる食品になります。
 ナマコは敵に襲われたり驚いたりすると、内臓をまるごと体外に吐き出します。トカゲの尻尾切りと同じような意味合いだと思いますが、内臓はいずれ再生します。
 ところで、ナマコは種類が多いだけに大きさもさまざまで、バイカナマコという種類のものは太さ10センチ、体長80センチにもなります。ちなみに、沖縄ではこれを乾して加工し、食用とするそうです。また、オオイカリナマコという、体長が3メートルにもなる種類もあります。ただし、これは体形がやたら細長く、見た目にはヘビのようだとか。これらに比べれば、マナマコなんてかわいいものです。

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2013年10月13日

やはりカキ(牡蠣)の栄養価は高い

 木になるカキがおいしい季節ですが、海のカキもおいしい時期に入っています。ご存知と思いますが、カキは英語の月の呼び方でRがつかない月、つまり5月から8月の間は食べないほうがいいといわれます。これは、5月から7月頃がカキの産卵期で、生殖腺に毒をもっているからです。それにしても、カキの食用シーズンを表すために月の呼び方を決めたわけではないと思いますが、うまいぐあいによく符号したものです。
 カキには、卵で生まれる卵生種と、胎内で孵化して幼生で生まれる卵胎生種の2種類があります。このうちの卵生種は「交替性雌雄同体」という変わった生態をもっています。これは、ひとつの個体が雄になったり雌になったりするという、便利なのか不便なのか、はたまた合理的なのか不合理なのか、よくわからない妙な仕組みです。
 そしてこれもおかしなことですが、産卵期以外は雌がいなくて雄ばかりです。ところが、産卵期になると雄の中から雌に変身するものが現れます。全部が雌になってしまっては繁殖できませんが、栄養状態が良いと雌になり、悪ければ雄のままという法則がに働き、うまくバランスがとれます。
 カキの栄養価が高いことはどなたもご存知でしょう。なにしろ、生カキ100グラムで、大人が1日に必要とするリンのすべて、蛋白質の7割、カルシウムの3割、鉄やヨードにいたっては4倍も摂取できます。また、肝臓の強壮に役立つタウリンも含まれていますから、酒をたしなむ方にはありがたい話です。

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posted by プッチン at 07:03| 魚介類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月12日

秋が旬のカジカは不格好でも美味

 秋は魚類に脂がのっておいしくなる季節ですが、おいしいのはサンマばかりではありません。カジカもその一つです。
 カジカの漢字表記にはいくかありますが、そのうちの一つ「鰍」は、頭や鰭(ひれ)が大きく、見た目は不恰好なものの味がよく、特に秋のカジカは美味ということから「鰍」となったともいわれます。
 カジカはカサゴ目カジカ科の魚の総称で、和名で単に「カジカ」と呼ばれる魚をいいます。カジカ科の魚は世界におよそ300種、日本で約90種が確認されています。このうちほとんどは海に棲み、淡水に棲むものは、カジカ属の代表的なカジカやハナカジカ(花杜父魚)、ヤマノカミ属のヤマノカミ(山之神)など7種だけです。
 海に棲むもので食用になるものは少なく、トゲカジカ(棘鰍)やケムシカジカ(毛虫鰍)、ギスカジカ(義須鰍)など数種類で、これらはトロールや刺網(さしあみ)などで漁獲されます。
 北海道で獲れるトゲカジカは、冬には味噌汁に使われますが、あまりのおいしさに、鍋の底に穴があくほど箸で突っつくといわれ、「鍋こわし」と呼ばれています。
 淡水に棲むものでよく知られているのはカジカで、生息域も広く、北海道南部から九州の一部まで分布しています。鰍料理で有名なものに、金沢のゴリ料理がありますが、それに使われているのもこの種類です。金沢のゴリ料理は、市内を流れる犀川や浅野川で獲った、地元でマゴリと呼ぶカジカを、ゴリ汁や唐揚げ、佃煮などにして味わいます。
 カジカの産卵期は2月頃から5月頃。雄は川底と石とのすき間などに雌を誘い込み、カジカ側から見ると天井にあたる石の表面に産卵させます。産卵を終えた雌はさっさと立ち去ってしまいます。卵を守るのは雄の役目で、卵のそばから離れず、ずっと守り続けます。ほかの生き物同様、鰍の世界でも、役割分担がしっかり決められているようです。

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posted by プッチン at 09:14| 魚介類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月07日

日本の蟹漁で最も漁獲量が多いのは紅ズワイ蟹

 蟹類は親戚が多く、世界で5000種とも6000種ともいわれていますが、日本ではおよそ1000種が知られています。日本の蟹漁での漁獲量は紅ズワイ蟹が最も多く、以下、ズワイ蟹、ガザミ、毛蟹、花咲蟹と続きます。このほか、大ズワイ蟹、北棘蟹、大猿猴蟹などが海外の漁場で水揚げされています。
 蟹独特の旨みのもとになっているのは、ベタインやホマーリンという旨み成分の一種です。雄のほうが味がよいとされますが、雌も卵を持つ時期には旨みが増します。
 ズワイ蟹は水温が低い海を生息域とし、太平洋側では北海道以南銚子沖付近、日本海側では朝鮮海峡付近まで分布していますが、北陸や山陰地方では特に多く水揚げされます。ズワイ蟹の「ズワイ」は、木の幹や切り株から生えた小枝を表す楚という言葉が訛ったもので、脚を伸ばしたようすが楚に似ていることから名付けられたようです。また、この蟹は越前蟹や松葉蟹という別名でも呼ばれています。
 蟹は種によって体の大小の差が大きく、甲の幅がわずか2ミリというヤワラガニ科の一種がいる一方、60センチのオーストラリアオオガニがいるなど、甲の幅ではなんと300倍もの差があります。ただし、脚まで含めた場合では日本特産種の高足蟹が世界最大で、甲の幅は30センチ程度しかないものの、脚を広げれば3メートルにもなります。食用にはなりますが、味はもう一歩のようです。
 ありがたくない謂われを持つ名前を付けられた蟹もいます。甲の長さが2センチほどの小さな蟹で、学名ヘイケジャポニカ、通称平家蟹と呼ばれる蟹です。その名の由来とは、この蟹の甲がでこぼこしていて、これが悔しそうな表情をした人の顔に見えることから、壇ノ浦での源平合戦に敗れ、海へ身を投じた平家一族の亡霊が乗り移ったというもの。この蟹は瀬戸内海に多く生息し、地理的に壇ノ浦と関連があることからこの言い伝えが生まれたようです。

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posted by プッチン at 11:48| 魚介類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月28日

クラゲの厄介者カツオノエボシ

 8半ばを過ぎる頃となると水母が多く発生します。シーズン後半に海水浴を楽しむ方は十分注意しましょう。
 海水浴客に被害を与えるのは、アンドンクラゲやカツオノエボシですが、実害のほとんどはカツオノエボシによる悪行のようです。クラゲの多くは傘のような体形ですが、カツオノエボシは少し細長い丸形の袋を横にしたような形をしています。これは気胞体と呼ばれるもので、これを浮き袋代わりにして海面に浮き、風の吹くまま気の向くまま、海上を漂っています。
 この、長さ10センチほどの気胞体から、生殖体や感覚体などといっしょに30センチほどの触手が垂れ下がっていますが、これに刺胞毒と呼ばれる強い毒を持っています。この毒は、刺されると電気ショックのような刺激を伴う痛みを感じ、刺されたところはみみず腫れになります。ちなみに、このクラゲの別名は、ご存じ「電気クラゲ」です。
 カツオノエボシの刺胞はかなりタフで、本体が死んでからもしばらくの間機能し続けます。浜辺に打ち上げられているものなどを目にしても、うかつに触らないよう注意しましょう。
 ところで、カツオノエボシの名前は、その昔、鰹漁が始まる頃になると、このクラゲが浜辺によく打ち上げられたことと、気胞体の形が、奈良時代頃からかぶられていた帽子の「烏帽子」に似ていることとに由来します。
 こうした厄介者とは反対に、食用として役立つクラゲもいます。日本で食用としているものは、ビゼンクラゲ、ヒゼンクラゲ、エチゼンクラゲの3種です。ビゼンクラゲについては、江戸時代に岡山から幕府へ毎年送られたという記録もあります。この3種のうち最大のものはエチゼンクラゲで、傘の直径1メートル以上、深さは60センチ、重さは150キロにもなります。
 この3種のクラゲにはいずれも名前に旧国名が冠されていますが、参考までにこれを現在の地域に置き換えてみますと、備前は岡山県南東部、肥前は佐賀県と長崎県のそれぞれ一部、越前は福井県東部となります。
 ところで、クラゲの体は98%が水分です。食用とはいえ、味や食感を楽しむにとどまり、栄養面ではほとんど期待できないようです。

海の危険生物ガイドブック

posted by プッチン at 10:23| 魚介類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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