2013年12月14日

スッポンを食べる風習は京都で天和・貞享年間から

 寒い時期になると出番が多くなる料理に鍋物があります。その一つ、スッポン鍋は、高価なのが少々難点ですがスタミナがつくとされ、昔から人気が高い高級料理です。ちなみに、日本でスッポンを食べる風習が生まれたのは京都が最初で、およそ330年ほど前の天和・貞享年間といわれています。
 スッポンの食べ頃は秋から春先にかけての頃で、特に冬は脂がのり、最もおいしい時期です。スッポン鍋は、肉や内臓を、春菊や白菜、豆腐などと一緒に醤油味の汁で煮込み、酢醤油をつけて食べるのが一般的です。
 また、生き血を飲んだり生き肝を食べることもしますが、これらには増血や強精の効果があるといわれ、珍重されています。なにしろ、青竹を噛み砕くほどパワフルなスッポン、栄養価もさることながら心理的にも効果がありそうです。
 スッポンとカメとは親戚ですが、カメと大きく違うところがあります。それは甲の硬さで、カメは硬く、スッポンは柔らかいのが特徴です。本家のカメ族から分家したスッポン一族は世界に25種。そのうち日本産は、落とせば弾みそうな名前のニホンスッポンという固有種。甲の長さが20センチから35センチの中型種です。全国生産量の3割近くを占める静岡県をはじめ、長崎、熊本、大分などの各県を主な産地として、各地で養殖されています。
 養殖する池には、自然環境下の露地池と、温泉やボイラーを利用した温室池の2種類があります。出荷するには700グラムから800グラムに育てなければなりませんが、露地池で4年から5年かかるところを、温室池では1年ですむそうです。
 野生のスッポンは貪食で、魚、巻き貝、エビやカニなどの甲殻類、水生昆虫と、手当たり次第ならぬ口当たり次第、動物性のものなら何でも餌にしてしまいます。そのため、かつては卑しい生き物とされていました。
 ところでスッポンは、古くは「川亀」と呼ばれていました。これがスッポンと名を変えるのは江戸時代のことで、鳴き声が、スポンスポンと聞こえたから、という説がありますが、真偽のほどは定かではありません。それにしても、スッポンの鳴き声って、聴いたことありますか?

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2013年12月13日

狐は賢くて獲物の捕獲も得意

 冬になると野山の餌が乏しくなるため、人里へ下りてくる山の動物たちがいます。狐もそのひとつで、昔の農家では、鶏や兎が襲われる被害が後を絶ちませんでした。狐には獲物を保存する習性があり、その場で腹ごしらえをするだけでなく、巣へ持ち帰る分まで獲物を襲うといいますから、被害はいっそう大きくなります。
 そこで農家では被害を防ぐため、雪が降る頃になると「狐罠」と呼ばれる罠を仕掛けました。狐罠は、板の上に餌を置いておびき寄せ、バネ仕掛けの器具で足を挟んで捕らえるものです。
 狐を捕獲する目的はもうひとつあります。襟巻きやコートなどにする毛皮を取るためです。冬、家畜を襲って人間の暮らしに被害をおよぼす狐が、防寒具に化けて人間の役に立つことになるとは皮肉な話です。ちなみに、毛皮の美しさでは、カナダやヨーロッパに生息する銀狐が一級品とされています。
 日本に棲む狐は2種類で、北海道に北狐、本州、四国、九州に本土狐が棲息しています。
 狐は自分の行動圏に、巣のほかに狩り場や休憩所、日光浴の場所、糞や尿をするサインポストなどをもっています。
 巣は、最長10メートルほどの穴をやや地下に向かって掘ったもので、その突きあたりにリビングルームがあります。これを数年、あるいは何代かに渡って使います。ところが、穴掘りが面倒な狐もいるのか、穴熊や穴兎などの巣の一画を占拠して居候したり、あるいは奪い取ってリフォームし、そのまま住みついてしまうこともあります。
 狐の賢さは獲物の捕獲のしかたにもよく表れています。兎や烏を捕らえるときには死んだふりをしておびき寄せたり、鴨を狙う場合は頭に水草をのせて偽装し、静かに泳ぎ寄ったりすることもあります。
 狐は雑食性で、鳥やその卵、魚、小形の哺乳類、昆虫、木の実、果物と、ほとんど何でも食べますが、特に好きなものは野鼠や兎だそうです。

キタキツネ―北国の野生動物


posted by プッチン at 09:05| 動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月30日

白鳥と「白鳥の湖」

 冬の渡り鳥の、日本への飛来盛んになるころになりました。日本のおもな冬鳥には、雁や鴨、鶫(つぐみ)、真鶴、白鳥などがいますが、なかでも白鳥は、飛来の話題が毎年報じられるなど、冬鳥としての知名度ではトップクラスではないでしょうか。
 白鳥は世界に7種が生息していますが、日本へ飛来するのは大白鳥と小白鳥の2種だけです。皇居の濠(ほり)や公園などで見かける白鳥は、ドイツから輸入されて繁殖した瘤白鳥(こぶはくちょう)と呼ばれる種で、渡り鳥ではありません。このほかに、鳴白鳥(なきはくちょう)、黒襟白鳥(くろえりはくちょう)、アメリカ白鳥、そして、文字通り異色の存在とも言える黒い白鳥、「黒鳥(こくちょう)」の4種がいます。
 白鳥が登場する有名な古典バレエに、「白鳥の湖」があります。台本はベギチェフとゲルツェルの2人によって書かれ、これをもとにチャイコフスキーが作曲したものです。
 4幕からなるこのバレエのストーリーは、およそ次のようなものです。オデットという名の王女が、魔法使いのロットバルトによって白鳥に変えられてしまいます。人間の姿に戻れるのは夜の間だけ。そこへ登場するのが、オデットに恋をしたジークフリートという王子で、彼は熱い愛情によって魔法を解き、めでたく王女と結ばれるいうものです。
 このバレエは、振付師ライジンガーの振付けにより、モスクワのボリショイ劇場で初演されましたが、興行は失敗でした。ところが、それからおよそ20年後、1895年に、ペテルベルグ、現在のレニングラードのマリンスキー劇場で、プチパとイワノフの師弟コンビによる振付けで改訂版を上演したところ、大成功をおさめたのです。
 その後も振付けや演出が何度か改訂されながら上演が続けられ、次第に人気が定着していきました。改訂の際には物語の結末が変更されたこともあり、王女と王子が悪魔を討ち果たして結婚するものや、2人の死によって結ばれるものなど、いくつものパターンがあります。
 ところで、このバレエには黒鳥も登場しますが、白鳥が王女オデット役であるのに対し、気の毒なことに黒鳥は、王子を誘惑する悪役、魔法使いの娘オディール役になっています。

ボリショイ・バレエ「白鳥の湖」(全幕)(DVD)

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posted by プッチン at 09:04| 動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月05日

パンダが昭和47年11月5日に上野動物園で一般公開

 白と黒のツートーンでおなじみのパンダ。いまでこそ珍しくありませんが、41年前に上野動物園で公開されたときには、「珍獣パンダ」などと呼ばれ、日本中で大変な話題となりました。
 昭和47年の今日、11月5日、2頭のジャイアントパンダが、上野動物園で一般公開されました。日中国交回復を記念し、10月28日に中国から贈られた、康康と蘭蘭です。康康は2歳の雄で体重55キロ。蘭蘭は3歳の雌、体重88キロでした。
 公開初日には5万6000人が押しかけ、まさに押すな押すなの大盛況となりました。入場者の長い行列ができ、パンダ舎の前を通過できた人は1万8000人だけで、やっと対面できても、その時間は一人あたりわずか30秒ほどだったそうです。
 パンダは1869年に、フランスのJ・P・A・ダビッド神父がヨーロッパに紹介し、初めて動物学上に登場しました。学問上では哺乳綱食肉目パンダ科に分類されていますが、クマ科やアライグマ科に分類する学者もあり、体の模様のように、白黒はっきりとさせるのはなかなか難しいようです。
 また、故郷中国では「ターシエンマオ」という名前で呼ばれていますが、これを漢字で表記すると「大熊猫」となります。クマやアライグマばかりかネコも登場。学問上の分類のしかたや名前のいわれの点でも、まさに「珍獣」といえるかもしれません。
 パンダの生息地は、中国四川省の中部や北部、甘粛省の南端などで、海抜1000メートルから3000メートルの高山地帯の、竹林のある地域などに集中しています。
 飼育する場合の餌は主に竹の葉や筍ですが、上海動物園では牛の肋骨を焼いたものを、また、ロンドン動物園では鶏のもも肉を与えていたことがあるそうです。飼育されていたパンダの珍しい例として、直径5センチほどの青竹を噛み裂き、きちんと表皮をはがしてから、おいしそうに食べたという例もあるそうです。
 現在は「絶滅のおそれのある野生動物の種の国際取引に関する条約」、通称「ワシントン条約」で保護されています。


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posted by プッチン at 07:11| 動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月02日

猪は「悪食」といえるほどの雑食

 実りの秋、山から下りてきて農作物を食い荒らす無法者の一つに猪がいます。被害にあう作物は芋や豆、稲、麦、果物など多岐にわたります。農家側でも、柵を設けたり捕獲したりと、対策を練ってはいるものの、コストや効果の点で問題もあり、なかなか完璧な解決策とはならないようです。
 猪は雑食性で、山にいるときには茸や筍、山芋、木の実などの植物質のもの、鼠や蛙、沢蟹、蛇、蚯蚓など動物質のものまで餌にしています。ときには鹿や熊などの死肉をあさることもあるそうですから、かなりの悪食です。
 日本に生息する猪は2種類で、北海道全土と、東北の一部と北陸の一部を除いた各地に日本猪、沖縄本島や徳之島など、南西諸島の6つの島に、やや小型の琉球猪が生息しています。体重は40キロから200キロ程度までとかなり幅がありますが、これは「寒い地域に生息するものほど体積が大きくなる」という環境適応説の一つ、「ベルクマンの規則」によっているらしく、寒さの厳しいロシアのウスリー地方では、350キロという大物も確認されているそうです。
 通常の猪は日中を笹藪や窪地で過ごし、日暮れ頃から餌を求めて活動を始めますが、気分によっては日中でも行動します。行動範囲は広く、一晩に4キロから8キロほど、そして、これも気分次第かどうか、ときには30キロも移動するようです。
 江戸時代の一時期には獣の肉を食べることが忌み嫌われていたため、「山鯨」というこじつけの隠語で呼んでいました。また、馬肉を「桜」、鹿肉を「紅葉」と呼んだことに対し、猪の肉を「牡丹」ともいいます。味噌仕立てでじっくり煮込む猪鍋は、別名牡丹鍋とも呼ばれますが、それはこのことに由来しているというわけです。
 猪の肉はこれからがおいしい時期。脂肪分や蛋白質が豊富で、ビタミンB1なども含まれていますから、寒い時期のスタミナづくりに食されてはいかがでしょうか。

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posted by プッチン at 07:32| 動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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