2013年12月12日

胃腸疾患、便秘、喘息などの解消や緩和にアロエ

 12月も中旬となると植物の多くは色褪せてしまいますが、そんな冬に花を咲かせるものもあります。アロエもその一つで、12月から1月頃の間、オレンジ色の花をつけ、冬の風景に彩りを添えます。
 アロエが花をつけるためには、ある程度の年数を経た古株であることや、暖かい場所に植えられていることなどの条件が必要となります。そのため、一般的な草花と比べると花を見かける機会が少なく、そんなことから、花を見たことがない人や、咲くことさえ知らないという人も多いようです。
 日本で多く栽培されているキダチアロエの場合、花は株の中心から伸びる茎の先端につきます。形は房状で、簡単に言えば、掃除に使う「はたき」を逆さまにしたような格好です。一般的には、花の数は一株に一つです。
 アロエは世界でおよそ180種が知られ、なかには、南西アフリカのナミブ砂漠に生育するアロエ・ディコトマという名の、樹木のような形をした、高さ数メートルにもなる大きな種類もあります。
 そのうち、栽培されたり商品として扱われたりするものはわずか数種類ですが、エジプト、ギリシャ、ローマなどでは、紀元前から栽培されていたといわれ、人類とは古くからつきあいがありました。
 原産地はアフリカで、現在でもアフリカの南部や東部では、たくさんの種類のアロエが大量に生育しています。日本へ渡来した時期は定かではありませんが、少なくとも江戸時代には、渡来していた痕跡があるそうです。
 日本では、観賞用や薬用として、主にキダチアロエが栽培されています。昔から「医者いらず」と言われるほど薬効に優れ、胃腸の疾患、便秘、喘息などの解消や緩和に服用したり、切り傷や火傷、ひび、あかぎれなどの外用剤として用いるほか、通経剤や強壮剤などとしても利用されるようです。
 特に下剤としての効果が強く、古代ギリシャでは、ソコトラ島という産地から輸入して利用していましたが、アリストテレスはアレクサンドロス大王に、ソコトラ島の占拠を進言したほどだそうです。
 ところで、アロエの名は、アラビア語のアロッホに由来するのだそうです。

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2013年11月19日

クルミは地味でも価値はある

 クルミはクルミ科クルミ属の総称で、単にクルミという名前の品種があるわけではありません。クルミ属は北半球の温帯に17種が確認されていて、日本では菓子グルミや鬼グルミ、姫グルミ、沢グルミなどがよく知られています。
 菓子グルミは手打グルミとも呼ばれ、長野県や東北地方などで栽培されています。手打グルミの名は、殻が薄くて素手でも割れることからついたそうです。このクルミはヒマラヤから中央アジアに自生する野生種を栽培した変種で、葉は食用、樹皮と果皮は染料、材は家具やピアノなどに用いられるという高機能な品種です。
 鬼グルミは栽培種のほか自生種も多く、高さ20メートル、直径1メートルという大きな木もあるそうです。材は堅くてひずみなどが少ないことから、家具や器具の材料として重用されます。また、実には咳止めや強壮の効果があり、生薬としても利用されます。
 姫グルミは鬼グルミの変種で、殻の先がとがり、全体がハート形をしていることからオタフクグルミとも呼ばれます。材は鬼グルミと同様、幅広く利用されます。
 山地の谷川付近に自生することが名前の由来の沢グルミは、高さが30メートル近くにもなります。ところが、実の外観はクルミのようではないうえに小さく、食用にもならないという、文字通り変わり種。材も利用できるものの、軽くて軟らかいために、マッチ棒や下駄、細工ものなどとして利用されます。
 長野県で栽培されている信濃グルミは、手打グルミと、ペルシアグルミの一種のフランケットという品種を交配させたもの。実は脂質や蛋白質が豊富で栄養価が高いなど、品質が優れていることから、菓子や料理の素材にも用いられます。
 地味ではあっても価値はたっぷりのクルミ。じっくり味わってみてはいかがでしょう。

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posted by プッチン at 07:29| 植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月17日

ドングリの名の由来

 ドングリはコナラやミズナラ、アラカシやシラカシ、クヌギ、カシワなどの木の実を総称したもので、ドングリの木という名前の木があるわけではありません。ときには「ドングリの木」と呼ぶこともありますが、この場合は、一般的にクヌギの木のことをいいます。また、このクヌギの木のドングリは、ほかの木のものと区別してオカメドングリとも呼びます。
 参考までに、ドングリの親である木のことを申しあげますと、これらはすべてブナ科に属する木です。材質が硬く、木目が美しいことから、家具として重用されるのをはじめ、薪や炭の材料、シイタケの原木、杭、神社の鳥居など、それぞれの木の特性を生かして木ごとに使い分けられ、利用されています。このうちのミズナラは耐火性に優れていますが、これは材が水分を豊富に含んでいるためで、そこからミズナラの名が付いたものです。
 ドングリはリスやクマ、サル、ネズミ類、カケスなど、山に棲む動物たちにとっては大切な餌となりますが、昔は人間もドングリを食べていた時代がありました。渋を抜いて実を食べたり、ドングリ餅にしたり、あるいは飢饉などに備えての非常食として利用していました。
 ところで、ドングリの名前の由来ですが、これには二つの説があります。ひとつは栃の木の栗、「トチグリ」が訛ったという説。
 もうひとつは、昔、子供たちがドングリをコマにして遊んだことが由来という説。なぜコマと関係があるのかということになりますが、じつはコマのことを「ツムグリ」と呼んでいた時代があり、そのツムグリが時を経るにつれて次々と変化し、最終的にドングリになったというわけです。由来の説としてはこちらのほうが有力なようです。
 ところで、漢字では団体の「団」に「栗」と書きますが、これは当て字だそうです。

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posted by プッチン at 09:40| 植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月12日

ネギのアリインには強壮、去痰、発汗、利尿などの作用

 野菜や果物は、品種改良や栽培技術が進歩し、季節に関係なく出回るものが多くなっています。暮らしの上では好都合ですが、季節感が薄れてしまうような気もして、痛し痒しというところもないではありません。
 関東で多く栽培される根深ネギは冬が旬。冬を目前にした11月ころから収穫が始まり、冬の終わりころまで続きます。
 根深ネギは根本に深く土を寄せ、葉鞘を白く長く生育させるものです。葉鞘とは、葉と根の中間の、一見茎のように見える、あの白い部分のことです。この品種は白ネギや長ネギとも呼ばれ、代表的なものに「千住」や「合柄」などがあります。
 加賀系のネギは寒さに強く、積雪にも耐えるタフな品種です。葉鞘の直径が2センチから4センチ、長さが20センチほどと、太くて短い下仁田ネギはその代表格です。下仁田ネギは将軍に献上されたことから殿様ネギとも称され、200年以上の歴史をもっています。
 関西では、青ネギとも呼ばれる、青い葉の部分を重視した葉ネギが主流です。その代表的なものに、京都の九条ネギがあります。
 ネギにはアリインという成分が含まれています。これには、強壮、去痰、発汗、利尿などの作用があり、発熱を伴う病気に対しては、老廃物の排除や解毒、消炎などの効果があるといわれています。風邪をひいたとき、細かく刻んだネギを、味噌をといた熱い湯に入れて飲むという民間療法がありますが、理にかなった先人の知恵といえるでしょう。
 また、ビタミン類やミネラル類もたくさん含まれていますから、健康の維持や増進に大いに役立つ野菜といえます。
 ネギの原産地には二つの説があります。一つは、シベリア、バイカル、アルタイなどの地方という説で、もう一つは、中国西部というもの。どちらが正しいのかはわかりませんが、日本への伝来については、5世紀以前に朝鮮半島を経由して中国から入ってきたと推定されているそうです。
 近年では中国からの輸入ものが急増していますが、国内での主な産地は、千葉、茨城、埼玉、青森の各県で、この4県で国内生産量の4分の3近くを占めています。


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posted by プッチン at 07:35| 植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月10日

イチョウはタフなうえに実用性に富む

 紅葉といえば、文字通り紅や赤の葉が圧倒的に多い中で、鮮やかな黄色の彩りを添えるのがイチョウ。葉の色の美しさもさることながら、樹そのものに風格や雄壮さを備えていることもイチョウの魅力です。ちなみに、高さ45メートル、直径5メートルという巨木も存在するそうです。
 イチョウは中国から渡来したものですが、中国では、葉の形が鴨の水掻きに似ていることから、見た目そのままに「鴨の脚」という意味の名前で呼ぶそうです。これを中国語で「ヤーチャウ」というように発音するのを、日本人が「イチョウ」と捉えたのが日本名の由来だそうです。
 イチョウは非常にタフで、たいていの土地で生育します。萌芽力、つまり、芽が出る力が強いうえに生長が早く、挿木や接木も平気。抵抗力が強くて病虫害が少なく、かなりの剪定にも耐えるという頑健さです。樹皮は厚くてコルク質のため耐火性に優れ、昔は防火樹として多用されました。街路樹にはイチョウが最も多く使われているという説もあることや、お寺や神社、公園などにもよく植えられているという背景には、こうした特性や優秀さが関係しているのかもしれません。
 また、盆栽などの観賞用や、ギンナンをとるための果樹としても栽培されるほか、木材としても活躍しています。淡い黄色の美しい光沢、軟らかくて密度の高い材質が好まれ、建材をはじめ、彫刻用や工芸用などの材料としても利用されています。
 ところで、イチョウを漢字で書くと「銀の杏」となりますが、ご存じの通り、これはギンナンと同じ漢字です。ギンナンの実が杏に似ているため、ギンナンのことを銀の杏と書くのはわかりますが、親であるイチョウも同じ漢字というのは変です。
 それに、イチョウにはもう一つ別の漢字があります。「公孫樹」と書きますが、これはこれで、なぜそんな漢字を当てるのかが不明。ギンナンと同じ漢字を使うことにしろ、公孫樹という当て字にしろ、きちんとしたいわれがあるはずですが、そんな謎めいたところもイチョウの魅力でしょうか。

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posted by プッチン at 09:04| 植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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