アンコウを料理するときは、まず下あごから縄を通して吊します。次に、口から大量の水を注ぎ込んで腹をふくらませ、皮を剥いでから肉を削ぎます。そして内臓を取り、最後に骨を断ちます。アンコウを吊すのは、皮や肉が柔らかく、俎板の上ではさばきにくいからで、これを「鮟鱇(アンコウ)の吊し切り」といいます。
「鮟鱇は唇ばかり残るなり」と詠んだ江戸川柳がありますが、背骨以外はほとんど食べることができます。俗に「七つ道具」といわれ、肉、皮、鰭、鰓、胃、腸、肝臓の7つすべてを食べられるというわけです。
可食部が多い分、料理の種類も多く、煮物や吸い物、和え物ほか、さまざまな形に調理されますが、やはり定番は鍋でしょう。「鮟鱇鍋」は、肉や皮、内臓と一緒に、豆腐、ネギ、ウドなどを鍋に入れ、割下で煮込みます。味がよくて栄養もあり、体も温まるとあって冬に人気が高い料理の上位にランクします。
アンコウは暗く冷たい、水深100メートルから400メートルほどの海底を生活圏とし、普段はあまり動き回ることがありません。餌を取る方法は、頭に付いたアンテナ状の疑似餌を揺らしながら、ただひたすら待ち続けるというものぐさなもの。
このようすを皮肉ったことわざに、「鮟鱇の待ち食い」というものがあります。働きもせずに利益を得ようとすること、また、そのような人という意味です。「鮟鱇の餌待ち」という言葉もあります。これは、ポカンと口を開いた間抜けなようすという意味。
アンコウは動かない割には大食漢で、自分の体重の3分の1以上もの量の餌を一度にとります。なにしろ、ことわざにもなるほどのんきな「鮟鱇の待ち食い」。長い絶食状態を想定した自然の摂理と思いますが、それにしても畏るべき胃袋ではあります。
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