2013年12月29日

アンコウは背骨以外はほとんど食べられる

 冬という季節は魚好きの人にとっては嬉しい季節でしょう。ほとんどの魚類は産卵に備えたり寒さから身を守ったりするため、脂がのっておいしくなるからです。不格好というか不気味というか、とにかく見た目の割には美味という魚、アンコウもその一つです。
 アンコウを料理するときは、まず下あごから縄を通して吊します。次に、口から大量の水を注ぎ込んで腹をふくらませ、皮を剥いでから肉を削ぎます。そして内臓を取り、最後に骨を断ちます。アンコウを吊すのは、皮や肉が柔らかく、俎板の上ではさばきにくいからで、これを「鮟鱇(アンコウ)の吊し切り」といいます。
 「鮟鱇は唇ばかり残るなり」と詠んだ江戸川柳がありますが、背骨以外はほとんど食べることができます。俗に「七つ道具」といわれ、肉、皮、鰭、鰓、胃、腸、肝臓の7つすべてを食べられるというわけです。
 可食部が多い分、料理の種類も多く、煮物や吸い物、和え物ほか、さまざまな形に調理されますが、やはり定番は鍋でしょう。「鮟鱇鍋」は、肉や皮、内臓と一緒に、豆腐、ネギ、ウドなどを鍋に入れ、割下で煮込みます。味がよくて栄養もあり、体も温まるとあって冬に人気が高い料理の上位にランクします。
 アンコウは暗く冷たい、水深100メートルから400メートルほどの海底を生活圏とし、普段はあまり動き回ることがありません。餌を取る方法は、頭に付いたアンテナ状の疑似餌を揺らしながら、ただひたすら待ち続けるというものぐさなもの。
 このようすを皮肉ったことわざに、「鮟鱇の待ち食い」というものがあります。働きもせずに利益を得ようとすること、また、そのような人という意味です。「鮟鱇の餌待ち」という言葉もあります。これは、ポカンと口を開いた間抜けなようすという意味。
 アンコウは動かない割には大食漢で、自分の体重の3分の1以上もの量の餌を一度にとります。なにしろ、ことわざにもなるほどのんきな「鮟鱇の待ち食い」。長い絶食状態を想定した自然の摂理と思いますが、それにしても畏るべき胃袋ではあります。

アンコウ鍋800gセット
送料無料 あんこう(アンコウ)鍋セット (1kg 4〜5人前) 肝なしあんこう(アンコウ)

あんこう(アンコウ)鍋セット三味セット 1〜2人前×3食分(冷凍)(国産)

あんこう(アンコウ)鍋セット三味セット 1〜2人前×3食分(冷凍)(国産)
ラベル:鍋もの
posted by プッチン at 18:09| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月08日

出世魚ブリの名前の変わり方

 晩秋から初冬へかけて、特にいま頃の時期に、漁が盛んになる魚にブリがあります。ブリが出世魚の異名を持つことはよく知られていますが、この「改名」は体の大きさを基準にして決められるようです。ただし、基準となる大きさや名前は地方によってだいぶ異なり、曖昧だったり大雑把だったりで、絶対的なものとは言えないようです。
 とりあえずそんなことを前提として、ある一つの基準を取りあげてみましょう。まず、稚魚の呼び名はモジャコで、10センチから20センチに育つとツバスやワカシ、ワカナゴとなり、30センチから40センチではイナダやハマチ、フクラギと呼びます。50センチから60センチでワラサやメジロとなり、80センチ以上になったものをブリと呼ぶのだそうです。ちなみに、出世魚と称される魚はブリのほかにボラやスズキがあります。
 ブリは成長が速く、1年で30センチ、2年で50センチに成長し、3年で60センチを超えますが、この段階で一応成魚となります。このあとも成長を続け、さらに3年、つまり、稚魚から6年ほどかかって80センチほどになり、ちまたで言うブリとなります。1メートルを超えるものも珍しくなく、大きなものでは1.5メートルにもなるそうです。
 ブリの身にはアミノ酸の一種であるヒスチジンという成分が、ほかの魚に比べて多く含まれています。これがおいしい理由です。冬に獲れるブリは「寒ブリ」と呼ばれて人気がありますが、これは春の産卵に備えて脂がよくのっているためで、特においしいとされています。反対に、おいしくないのは産卵後の「彼岸ブリ」で、痩せているうえ、肉や腹に寄生虫が入っているそうです。
 ブリは養殖魚としてトップクラスに位置しています。俗に言うハマチ養殖です。ブリは養殖しやすいうえに大型で、しかも蛋白質や脂肪、ビタミンB1やB2などを多く含んでいて栄養価が高いことから、食糧不足の緩和策の一つとして有望視されています。

天然ブリ(寒鰤/寒ブリ)3kg前後

天然ブリ(寒鰤/寒ブリ)3kg前後
ラベル:寒ブリ
posted by プッチン at 08:36| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月06日

鱈(タラ)は名前も味わい深い

 冬は魚に脂がのり、身がしまっておいしくなる季節です。特に、東北地方の北部から北海道周辺の、水温の低い海に生息する鱈は、12月から1月頃にかけ、もっともおいしい時期を迎えます。漢字で「魚偏に雪」と書く鱈は、まさに冬が旬というわけです。
 「鱈」の表記は、「肉の色が雪のように白いから」とも、「雪が降り始める頃から旬となり、それに合わせて鱈漁が始まるから」ともいわれていますが、どちらの説も正しいような気がします。鱈漁は延縄(はえなわ)で釣り上げるか底引き網で行われます。
 一般的に、単に鱈と言う場合は真鱈を指します。鱈科の一族には、真鱈のほかに介党鱈と粉馬以(こまい)の2種がいます。真鱈は体長1メートルほどで、塩焼きや味噌焼き、「鱈ちり」などの鍋物のほか、刺身で食べてもおいしい優れた食材で、ビタミンAやDが豊富に含まれる肝臓は珍味とされています。また、胆嚢は消化薬、浮袋は膠(にかわ)の原料になるなど、人間にとって大変有用な魚です。
 介宗鱈とも呼ばれる介党鱈は、体長60センチ前後で、この肉も食用となりますが、真鱈よりは味が少々劣るため、主に蒲鉾や竹輪の原料として利用されます。ところが、肉とは反対に、卵巣は真鱈よりも介党鱈がのほうが味がよく、上物とされています。このため、鱈子として商品化されるものには介党鱈の卵巣が使われています。
 ところで、お隣の朝鮮では、介党鱈のことを明太と呼んでいます。もう、おわかりでしょう。明太子とは、「鱈の子」と同様、「明太の子」という意味で、これに辛子で味付けしたものが「辛子明太子」というわけです。
 腹一杯食べたとき、「たらふく食った」などと言いますが、この「たらふく」は、漢字では「鱈の腹」と書きます。ただし、これは当て字で、本来は、腹が「足りて脹(ふく)れる」という言葉が変化し、「足ら脹(たらふく)」となったもののようです。もっとも、鱈は実際に大食漢で、ときには自分の体重の三分の二ほどもある魚を食べることもあります。しかも雑食性で、あまり餌の選り好みをせず、魚や海老は言うまでもなく、巻貝や磯巾着なども餌にしてしまうそうですから、「鱈の腹」と当て字をされてもしかたがないというものです。

開き 干し タラ 1匹
ポンタラ

カット済 棒タラ(500g)

カット済 棒タラ(500g)
posted by プッチン at 08:32| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月26日

食用として有用なウツボもいる

 秋と冬は旬の魚が多い季節ですが、ちょうど今頃から翌年3月頃までが旬の、少々個性的なルックスの魚がいます。ウツボです。
 ウツボの肉は、一般的な食用魚に比べて硬く、しかも、小骨が多いとあって食用にはあまり向いていないようですが、南房総、九州、高知、和歌山など、地域によっては立派な食材として活躍しています。
 食用とされるのは、ウツボやトラウツボ、コケウツボ、ユリウツボなど。種類や地域によって利用方法が異なるようですが、たたきや蒲焼き、揚げ物、煮物、鍋物などのほか、干物や佃煮などとしても利用されます。
 また、皮は財布などの皮革製品に利用されます。ちなみにウツボ漁は、ウツボ籠とも呼ばれる網籠や延縄で行われます。
 ウツボは熱帯から亜熱帯にかけての地域に分布し、世界でおよそ200種、日本近海でおよそ50種が知られています。日本では関東以南の海域に分布し、ほとんどのものが浅い海域の岩礁や珊瑚礁などに生息していますが、なかには、水深500メートルほどの海底に棲む種もあります。
 多くの種は体長1メートルほどですが、小さいものでは30センチ、大きいものでは3メートルと、かなり幅があります。体型がウナギに似ていますが、それもそのはず、学問上ではウナギ目に属し、ウツボ科ウツボ属という身分に分類されています。
 あの顔つきからも想像できるように、性格は極めて獰猛。夜行性で、夜になると狩りに出かけ、エビやカニ、小魚などを漁ります。タコもウツボの好物のひとつですが、ときには大きなタコに出くわして立場が逆転し、絞め殺されることもあるそうです。
 まれにそういう番狂わせがあるものの、本来、ウツボはタコの天敵。その生態を利用し、養殖のイセエビをタコから守ろうと、養殖用の人工岩礁にウツボを飼うアイデアが出されたこともあるそうです。そのアイデアがどうなったかわかりませんが、実用化されたとしたら、ウツボにとってもタコにとっても、災難となったことでしょう。

和歌山県産 珍味 うつぼ 揚げ煮 50g

★ウツボのたたき 高知産 100グラム(約2人前) スライス済み タレつき★地物うつぼのタタキです!

★ウツボのたたき 高知産 100グラム(約2人前) スライス済み タレつき★地物うつぼのタタキです!
posted by プッチン at 07:52| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月18日

ハタハタがカミナリウオとも呼ばれるわけ

 北海道や東北地方、特に秋田県沿岸が優良な漁場として知られるハタハタが旬を迎えています。11月ころから市場に出回り、12月いっぱいくらいまでが市場の最盛期です。
 冬に雷が鳴るという秋田県では、ちょうど雷が鳴るころ、群れをなして押し寄せることから、カミナリウオとも呼ばれています。
 ハタハタは山陰地方以北の日本海や、東北地方以北の太平洋などに生息しています。体長20センチから30センチほどの細長い体形で、体の両脇から押し潰されたかのように、正面から見ると縦長に見えます。鱗がないのも特徴のひとつです。
 水深150メートルから400メートルくらいの深海にすみ、日中は砂や泥でできた海底に潜っています。このことから、英名ではサンドフィッシュと呼ばれています。
 ハタハタはちょうどいまごろの時期、11月下旬ころから産卵期に入ります。産卵のために接岸したものは定置網や引き網で漁獲し、産卵期以外の時期には、海底にいるところを底引き網で漁獲します。
 白身魚としてはやや脂肪分が多めですが、全体的にはあっさりした味で、塩焼きや煮つけ、鍋物、天麩羅などのほか、味噌汁や粕汁、干物などにも利用されます。
 有名な鍋物に、秋田県の郷土料理、しょっつる鍋があります。しょっつるとは塩汁のことで、塩汁が訛ってしょっつるとなったものといわれています。この汁は、ハタハタやイワシなどを2年から3年かけて塩漬けし、醗酵させて作ります。醗酵し、熟成した液の上澄みを漉(こ)したものがしょっつるです。
 これの高級品といわれるものには、熟成に5年から7年をかけるものもあるそうです。この汁を使い、豆腐、ネギ、セリ、マイタケ、キリタンポなどを煮込みます。
 ハタハタの卵はブリコと呼ばれ、海苔や醤油などで味付けして生で食べるほか、肉と同じく、味噌汁や粕汁にも使います。
 ハタハタの卵なのにブリコと呼ばれるのは、ハタハタの乱獲を防ぐために漁獲が制限されたとき、「これはブリの卵なのだ」とごまかして取り引きしたから、という説があります。ただし、ほんとうかどうかは定かではないようです。

三浦米太郎のハタハタ寿司 500g/クール便
干物 はたはた 一夜干し セット 越前産 ハタハタ 3尾×5パック ((冷凍))

一夜干しハタハタ(鰰:はたはた) 24尾入

一夜干しハタハタ(鰰:はたはた) 24尾入
posted by プッチン at 07:23| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。