歳神は、歳徳神(としとくじん)や正月様(しょうがつさま)、若年様(わかどしさま)などとも呼ばれ、年明けに各家へ降りてきて、その家に福徳や五穀豊穣をもたらす役目を担当する神様です。
その歳神を招き寄せたり宿らせたりする役を果たすのが門松です。門のそばに立てるところから門松の名が付いたというわけですが、日本中がすべてそうかというと、そんなことはありません。地域によって独特な呼び方や形態があります。
呼び方では、拝み松、飾り松、祝い松ほかいろいろ。材料も松に限らず、楢や椿、柳、栗などのほか種類が多く、しかもそれらを複数組み合わせる地域もあるとあって、デザインはバラエティーに富んでいます。立てる場所も同様で、座敷や床の間、神棚、土間、庭、というぐあいです。
さらには、餅や雑煮などの食べ物を供えたり、手を合わせて拝んだりと、崇めかたもさまざま。飾っておく期間も、3日のところもあれば7日のところもあり、長いところでは14日間も飾るところありで、これまたばらばら。同じ歳神を祀るのに、これほど違いがあるのはおかしな感じですが、考えてみれば、そもそも民間信仰には、地域の風土や習俗が反映されるもの。むしろ当然のことなのかもしれません。
歳神の存在を知らなかったという人、松の内の今日ならまだ間に合います。いまから拝めばいい年になるかもしれません。
ラベル:正月