2014年01月03日

歳神(としがみ)と門松の関係

 現代の正月行事は、ただ単に年が明けたという事実だけを祝うイベントのようになってしまい、商業的な部分がかなり目立つような気もしますが、本来の正月行事の意義はもう少し奥深いものです。正月の祝いは仏教に由来するもので、新しい歳神の来臨を祝うという、厳かな信仰の心が込められています。
 歳神は、歳徳神(としとくじん)や正月様(しょうがつさま)、若年様(わかどしさま)などとも呼ばれ、年明けに各家へ降りてきて、その家に福徳や五穀豊穣をもたらす役目を担当する神様です。
 その歳神を招き寄せたり宿らせたりする役を果たすのが門松です。門のそばに立てるところから門松の名が付いたというわけですが、日本中がすべてそうかというと、そんなことはありません。地域によって独特な呼び方や形態があります。
 呼び方では、拝み松、飾り松、祝い松ほかいろいろ。材料も松に限らず、楢や椿、柳、栗などのほか種類が多く、しかもそれらを複数組み合わせる地域もあるとあって、デザインはバラエティーに富んでいます。立てる場所も同様で、座敷や床の間、神棚、土間、庭、というぐあいです。
 さらには、餅や雑煮などの食べ物を供えたり、手を合わせて拝んだりと、崇めかたもさまざま。飾っておく期間も、3日のところもあれば7日のところもあり、長いところでは14日間も飾るところありで、これまたばらばら。同じ歳神を祀るのに、これほど違いがあるのはおかしな感じですが、考えてみれば、そもそも民間信仰には、地域の風土や習俗が反映されるもの。むしろ当然のことなのかもしれません。
 歳神の存在を知らなかったという人、松の内の今日ならまだ間に合います。いまから拝めばいい年になるかもしれません。


ラベル:正月
posted by プッチン at 08:17| 行事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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