2013年11月17日

ドングリの名の由来

 ドングリはコナラやミズナラ、アラカシやシラカシ、クヌギ、カシワなどの木の実を総称したもので、ドングリの木という名前の木があるわけではありません。ときには「ドングリの木」と呼ぶこともありますが、この場合は、一般的にクヌギの木のことをいいます。また、このクヌギの木のドングリは、ほかの木のものと区別してオカメドングリとも呼びます。
 参考までに、ドングリの親である木のことを申しあげますと、これらはすべてブナ科に属する木です。材質が硬く、木目が美しいことから、家具として重用されるのをはじめ、薪や炭の材料、シイタケの原木、杭、神社の鳥居など、それぞれの木の特性を生かして木ごとに使い分けられ、利用されています。このうちのミズナラは耐火性に優れていますが、これは材が水分を豊富に含んでいるためで、そこからミズナラの名が付いたものです。
 ドングリはリスやクマ、サル、ネズミ類、カケスなど、山に棲む動物たちにとっては大切な餌となりますが、昔は人間もドングリを食べていた時代がありました。渋を抜いて実を食べたり、ドングリ餅にしたり、あるいは飢饉などに備えての非常食として利用していました。
 ところで、ドングリの名前の由来ですが、これには二つの説があります。ひとつは栃の木の栗、「トチグリ」が訛ったという説。
 もうひとつは、昔、子供たちがドングリをコマにして遊んだことが由来という説。なぜコマと関係があるのかということになりますが、じつはコマのことを「ツムグリ」と呼んでいた時代があり、そのツムグリが時を経るにつれて次々と変化し、最終的にドングリになったというわけです。由来の説としてはこちらのほうが有力なようです。
 ところで、漢字では団体の「団」に「栗」と書きますが、これは当て字だそうです。

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posted by プッチン at 09:40| 植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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