2013年08月31日

ユースホステルの創始者シルマン

 ひとくちに宿泊施設といっても種類はさまざま。ホテルや旅館とはスタイルが異なる、個性的なものもあります。ユースホステルは、そんな宿泊施設のひとつです。
 ユースホステルは、青少年の旅行や野外活動を支援するための国際的な宿泊施設です。宿泊の基調となっているのはホスピタリティ(親切心)で、奉仕と友愛の精神です。青少年が自力で旅行しながら、心身の育成や知識の充実などをはかり、共同生活を通じて、規律ある習慣を体得するための宿泊施設です。
 20世紀初め、その宿泊施設を創る運動が起きました。この運動はやがてヨーロッパ各国から世界に広がり、1934年には国際ユースホステル連盟が設立されました。現在50か国以上で、ユースホステルが利用されています。ちなみに日本では、1951年、昭和26年に日本ユースホステル協会が結成され、1954年には国際ユースホステル連盟に加盟しました。
 この、ユースホステルを創る運動を最初に提唱したのが、ドイツのリヒアルト・シルマンという人物です。
 小学校の教師だったシルマンが、あるとき生徒を引率して遠足に出かけました。ところが、予期せぬ大雨に見舞われてしまいました。シルマンは、たまたま近くにあった小学校で雨宿りをしましたが、雨足はいっこうに衰えず、結局、一晩中その小学校で足止めをくってしまいました。これが1909年8月26日のことで、この日は後にシルマン・デーになりました。
 その後シルマンは、遠足での雨宿りの経験から、旅行中の青少年が不測の事態に遭遇したとき、緊急に駆け込んで安心して泊まれる施設があるといい、と考えました。その根本には、経済力の弱い青少年の負担が軽くすむよう、利用料金を低く抑えるという気遣いが息づいています。
 日本では、公営・私営を含め、全国各地におよそ500施設が建設されています。


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2013年08月30日

梨の「二十世紀」と「長十郎」は偶然の産物

 夏のさなかの8月頃から、秋の半ば、9月の終盤へかけて、残暑を払うようなみずみずしい梨が出回ります。
 梨は世界に20数種が分布しています。これを地域で2つに大別すると、日本梨や中国梨などに代表される、東アジアが起源の種と、西洋梨で知られる、ヨーロッパ・近東・西アジアなどが起源の種があります。
 「梨」はナシ属全体の総称で、個別の種の名称ではありません。日頃、単に「梨」という場合は「日本梨」のことをさすようです。日本梨は日本原産の「山梨」や、同じく日本原産の「岩手山梨」が基本種となっているものです。
 梨栽培の歴史は古く、8世紀初めに著された日本書紀にも、栽培に関する記述があるそうです。近代になると、栽培や品種改良が盛んになりますが、なかには偶然生まれた品種もあります。
 明治21年頃、千葉県松戸市の松戸覚之助さんの宅地内で「二十世紀」が発見され、明治28年頃には、神奈川県川崎市の梨園で「長十郎」が発見されました。いずれも偶発実生として発見されたものでした。
 後年、梨栽培は全国へと普及していきますが、その動きの原動力には、「二十世紀」と「長十郎」の存在が大きく貢献していたと言われています。
 ところで、「二十世紀」という名前は、間もなく19世紀も終わろうという1898年、明治31年に、20世紀を担うべき品種、という願いを込めてつけられたもので、もう一方の「長十郎」は、農園の園主、當麻長十郎さんの名前からとったものだそうです。
 昭和に入ってからは、農林水産省などでもさらに力を入れ、同省果樹試験場によって、幸水、新水、豊水、早玉、新星など、質の良い新品種が数多く誕生しています。
 主な産地は、二十世紀の花を県の花に定めている鳥取県が、国内の栽培面積のおよそ2割を占めて第1位。以下、千葉、福島、長野、埼玉の各県と続きます。


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2013年08月29日

ちょっと華やかな存在感だった昔の蚊帳(かや)

 現代では、蚊を退治したり寄せつけないようにするための、優れた殺虫剤や電気器具が普及し、蚊帳を見かけることはほとんどなくなってしまいましたが、戦後しばらくまではどこの家にも蚊帳があり、夏の風物詩と言われたほどポピュラーな存在でした。奈良時代に著された日本書紀には蚊帳に関する記述があるそうですから、少なくとも、すでにその時代には蚊帳が存在していたようです。
 本来、蚊帳は高貴な身分の人だけが使っていたものですが、江戸時代に入ると庶民の間にも広がっていき、それに連れて近江(おうみ)、現在の滋賀県や奈良県などでは、盛んに蚊帳が製造されるようになりました。
 上等品の蚊帳の素材には絽(ろ)や紗(しゃ)が使われますが、一般的には麻が用いられます。木綿が使われることもありますが、このときにも麻が混ぜられるのが普通です。色は萌葱(もえぎ)が一般的でしたが、水色や浅黄(あさぎ)のほか、ぼかしにしたものなどもありました。
 近江の商人の中には、江戸に店を出す者も多く、そうした商人たちは、夏のはじめになると蚊帳の行商を行いました。「蚊帳売り」と呼ばれるもので、菅笠をかぶった2人が1組になり、そのうち1人が紙で作った箱2つに蚊帳を入れ、天秤棒で担ぎます。そして、「萌葱のかやー」などという売り声をかけながら、町内をゆっくり売り歩いたのです。
 蚊帳には、蚊から身を守るほかにも使い道があります。といっても、信仰や儀式的な使い方ですが、昔は雷が鳴ったとき蚊帳の中に逃げ込むというまじないがありましたし、九州や沖縄では、出産や葬式などのとき、悪霊から守るために蚊帳の中に入るという風習があるそうです。
 時代が進むに連れ、情緒豊かな蚊帳も姿を消しつつありますが、現代と比べると、昔の蚊帳は少しばかり華やかな存在だったようです。

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2013年08月28日

クラゲの厄介者カツオノエボシ

 8半ばを過ぎる頃となると水母が多く発生します。シーズン後半に海水浴を楽しむ方は十分注意しましょう。
 海水浴客に被害を与えるのは、アンドンクラゲやカツオノエボシですが、実害のほとんどはカツオノエボシによる悪行のようです。クラゲの多くは傘のような体形ですが、カツオノエボシは少し細長い丸形の袋を横にしたような形をしています。これは気胞体と呼ばれるもので、これを浮き袋代わりにして海面に浮き、風の吹くまま気の向くまま、海上を漂っています。
 この、長さ10センチほどの気胞体から、生殖体や感覚体などといっしょに30センチほどの触手が垂れ下がっていますが、これに刺胞毒と呼ばれる強い毒を持っています。この毒は、刺されると電気ショックのような刺激を伴う痛みを感じ、刺されたところはみみず腫れになります。ちなみに、このクラゲの別名は、ご存じ「電気クラゲ」です。
 カツオノエボシの刺胞はかなりタフで、本体が死んでからもしばらくの間機能し続けます。浜辺に打ち上げられているものなどを目にしても、うかつに触らないよう注意しましょう。
 ところで、カツオノエボシの名前は、その昔、鰹漁が始まる頃になると、このクラゲが浜辺によく打ち上げられたことと、気胞体の形が、奈良時代頃からかぶられていた帽子の「烏帽子」に似ていることとに由来します。
 こうした厄介者とは反対に、食用として役立つクラゲもいます。日本で食用としているものは、ビゼンクラゲ、ヒゼンクラゲ、エチゼンクラゲの3種です。ビゼンクラゲについては、江戸時代に岡山から幕府へ毎年送られたという記録もあります。この3種のうち最大のものはエチゼンクラゲで、傘の直径1メートル以上、深さは60センチ、重さは150キロにもなります。
 この3種のクラゲにはいずれも名前に旧国名が冠されていますが、参考までにこれを現在の地域に置き換えてみますと、備前は岡山県南東部、肥前は佐賀県と長崎県のそれぞれ一部、越前は福井県東部となります。
 ところで、クラゲの体は98%が水分です。食用とはいえ、味や食感を楽しむにとどまり、栄養面ではほとんど期待できないようです。

海の危険生物ガイドブック

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2013年08月27日

世界で最長の川はナイル川

 日本で最長の川は信濃川です。新潟、群馬、長野を縫って367キロを流れます。2番目が利根川の322キロですが、流域面積では利根川が最も広く、信濃川の1.4倍です。これは、北海道に次ぐ広さの岩手県に、さらにその10パーセントほどの面積を上乗せした広さです。流域面積では、利根川の次に石狩川がはいり、信濃川は3位となります。
 長さで3位以下の川を順にいくつかあげますと、北海道を流れる石狩川と天塩川、岩手と宮城の北上川、宮城と福島の阿武隈川、山形の最上川というふうに続きます。
 これが世界となると、文字通り桁違いのスケールになります。最長はナイル川で、水源であるカゲラ川の源流から、東地中海へ流入する河口までの全長は6690キロにもなります。ちなみに、北海道の端から沖縄本島までの直線距離は約2600キロです。
 次に長いのがアマゾン川と揚子江。ほぼ同じ6300キロです。ただし、流域面積ではアマゾン川が最大で、なんと利根川の390倍、日本の総面積の17倍にもなります。
 アマゾン川の川幅は最大10キロ。増水で低地が冠水したときなど、川幅が50キロにまで広がる所もあります。深さも桁外れで、普通の状態でも70メートルや80メートルは珍しくなく、最も深い所では120メートルという所もあるそうです。
 このほかの大きな川では、本流の長さ3780キロ、源流からなら6100キロのミシシッピ川、5460キロの黄河、本流3650キロ、源流まで遡れば5410キロのオビ川などが、大地を縫って流れています。
 ところで、「かわ」という漢字には2種類ありますが、銀河や大河などという言葉に使われる、「さんずい」が付く河の字は、中国の黄河を指す固有名詞でした。ところが、川の流れならぬ時の流れにより、いつの間にか普通名詞に変化したのだそうです。


posted by プッチン at 09:10| 気候風土 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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