2013年05月31日

小麦は穀物の中で世界第一位の生産量

 麦は秋に種を播き、芽生えたところで越冬します。そして早春、ふたたび活動を始め、5月中旬から6月中旬にかけて実りを迎えます。 
 麦の仲間には、小麦や大麦、燕麦、ライ麦などがありますが、このうち小麦と大麦は、人類が農耕を始めた当初から栽培されていたという、農作物としてはもっとも長い歴史をもっています。
 現在、小麦は穀物の中で世界第一位の生産量を誇り、麦類全体となると、世界の穀物生産量のおよそ半分を占めています。つまり、米よりも多いということになります。
 この存在感はそのまま実用性の高さにつながり、麦粒のまま、あるいはパンに加工するなど、全人類のおよそ半数が、何らかの形で麦を主食にしているそうですから、その恩恵たるや絶大なものです。
 麦の中で最も生産量が多いのが小麦で、一旦小麦粉に加工され、パンや麺類、菓子、麩などの原料として使われるほか、味噌や醤油の醸造原料にも利用されます。
 俗に「麦飯」と呼ばれる食べ方をされるのは大麦で、ビールやウイスキーなどの醸造原料にも使われます。
 燕麦はオートミール、ライ麦は黒パンや、ウイスキー、ウォッカなどの原料になりますが、ライ麦はかなり以前から生産量が減少しつづけ、現在では麦畑を見かけることも少なくなっているようです。


ラベル: 大麦
posted by プッチン at 08:32| 食品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月30日

キャベツは日本の食文化にマッチして明治以降全国に普及

 甘藍(かんらん)という名前の野菜を知っていますか、と言われても、知らないと答える人が多いかもしれません。キャベツのことです。キャベツは玉のように丸くなることから、玉菜(たまな)とも呼ばれます。葉の味もさることながら、名前にも味わいがあるような気がします。
 さて、キャベツは収穫時期の違いにより、春キャベツ、夏秋キャベツ、冬キャベツに分けられますが、今頃の時期からは、新鮮な夏秋キャベツが出回ります。キャベツはほとんど一年中出回っていますが、もっとも需要が多いのが夏、つまり夏秋キャベツなのです。
 夏秋キャベツの主な生産地は、群馬県嬬恋村や、長野県八ヶ岳山麓の地域で、群馬県と長野県だけで、全国生産量の半分以上を占めています。ちなみに春キャベツは、千葉、神奈川、愛知、兵庫など。冬キャベツは愛知、千葉、神奈川などが主な産地です。
 人類は古くから、キャベツの原種である野生種を食べていました。この野生種は地中海や大西洋の沿岸に自生していたもので、非結球性のため、球状ではありませんでした。この野生種を栽培するようになったのは、地中海に侵入したケルト人で、紀元前6世紀頃といわれています。
 これを結球性に改良したのはずっと後、8世紀の終わり頃と推定され、その原産地はヨーロッパ南部の地方でした。13世紀に入ると、イギリスやフランス、ドイツ、オランダなどでさらに品種改良され、盛んに栽培されるようになりました。
 日本にキャベツが伝わったのは18世紀の初め、江戸時代で、オランダ人によって長崎へ入ってきたのが最初です。つまり、これが日本のキャベツの元祖というわけです。このときのキャベツは、完全な球状にならない半結球性のものだったようです。
 日本で結球性のキャベツが栽培されるようになるのは、1855年、江戸時代の安政2年頃といわれています。
 キャベツの生育には気温が大きく関係するものの、栽培自体は比較的容易なうえ、日本人の嗜好や食文化にもマッチしたことなどから、全国各地へ普及していきましたが、それは明治以降のことでした。


posted by プッチン at 08:45| 野菜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月29日

アカエイは骨も肉もおいしい食材になる

 初夏から仲夏にかけ、アカエイが繁殖時期を迎えます。エイの仲間には卵を生む種類もありますが、アカエイは卵胎生で、卵では生みません。夏の夜、胎内で孵化した仔魚を生みます。
 生む場所は浜辺や岸に近い浅瀬で、一度に10尾前後の仔魚を生みます。一度に10尾という数は、魚類としては極めて少ない数です。エイ類は4億年の昔から存在していたそうですが、生存競争の厳しい自然界で、よくこれまで生き延びてきたものです。
 日本近海のエイ類は約50種が確認されています。アカエイは、北海道南部から南の、朝鮮半島や東シナ海などに分布します。全長は1メートルほどで、沿岸の砂底に生息し、二枚貝類や甲殻類、魚類、ゴカイ類などを餌にしています。
 繁殖時期である夏はエイにとってめでたい季節ですが、じつは、人間の側から見ると、夏はアカエイが旬の時期で、この点でエイは受難の季節となります。
 エイが食用になることはあまり知られていないようですが、種類によっては海洋資源として役立っています。アカエイはそのひとつで、地味ながらも食用となります。
 骨は軟骨で、肉とともに食材となり、煮付けや酢味噌和えなどに料理されます。肉は厚く、独特の風味があって、エイの中ではもっともおいしいといわれています。
 こうした生鮮魚としての食べ方のほかに、練り製品の原料として加工されたり、塩干しの干物などとして利用されたりします。漁はトロールや延縄で行われます。
 アカエイには怖い面もあります。尾には強い神経毒をもった棘があり、これに刺されると吐き気や痙攣などが起こるうえ、呼吸困難になったり失神したりし、ひどい場合は死にいたることもあるそうです。
 ところで、最大のエイはオニイトマキエイで、幅8メートル、重さ3トンにもなります。このエイは別名マンタとも呼ばれますが、マンタとは毛布という意味です。


posted by プッチン at 09:21| 魚介類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月27日

ラベンダーの名の由来は入浴で香りを楽しんだこと

 見るだけでなく、実用的でもあるハーブの代表的なものの一つ、ラベンダーは、花は5月頃から咲きはじめ、6月頃が最盛期となります。
 花の色は「ラベンダー色」とまで呼ばれるほど存在感の強い紫をはじめ、濃いピンク、青、緑、黄、白などさまざまです。
 原産地はインド、カナリア諸島、地中海沿岸などの地域で、近年の主な産地としては、南フランスをはじめ、イタリア、イギリス、ロシア、オーストラリア、北アメリカなどがあげられます。日本でも多く栽培され、特に北海道では盛んに栽培されています。
 ラベンダーには、ラテン語で「洗う」という意味があります。古代、ローマやギリシャの人たちはラベンダーを浴槽に浮かべ、香りを楽しみながら入浴したといいます。これが名前の由来です。
 ラベンダーは用途が多く、入浴剤として利用したほか、乾燥させたものを収納家具に入れ、衣類やシーツなどに香りをつけたり、匂い袋として身につけたりしていました。また、花は冠や花輪などにも使われていました。
 香りは花だけでなく、草全体にあります。ラベンダー油と呼ばれるものがありますが、それは、花が咲く頃草を刈り取り、水蒸気を使った蒸留法で精油するものです。花だけから精製したものがもっとも上質とされています。ちなみに、主な用途は香水や化粧水、ポマード、石鹸などです。
 ハーブとしては、心身をリラックスさせて疲労をとる効能があり、不眠対策などに有効といわれています。また、古くから薬用としても使われ、古代ギリシャでは、鎮痛剤や解毒剤に混ぜて使ったそうです。
 ヨーロッパでは、痙攣(けいれん)や喘息の民間薬として使われるほか、神経痛の薬、軟膏や塗布剤の香料などとしても利用されます。
 ラベンダーの花言葉の一つに、「沈黙」というものがありますが、これは、リラックス効果に由来しています。ほかにも「疑惑」「私に答えてください」「許し合う恋」などがありますが、少々怪しい意味合いのものばかり。これでは、恋人たちはリラックスできないかもしれません。


生活の木 C ラベンダー フランス産 エッセンシャルオイル 10ml【HTRC3】
Interlam Essential Oil ラベンダー 10ml 【HTRC3】

ラベル:ハーブ アロマ
posted by プッチン at 09:02| 植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月26日

初ガツオは初物好きの江戸っ子に大人気

 5月から6月にかけて、南の海から黒潮に乗ってカツオが回遊してきます。
 「目には青葉 山ホトトギス初ガツオ」という、山口素堂の句は有名ですが、これは、江戸っ子が初物好きだったところからきたもので、この時期のものが特においしいということではないようです。
 ところで、この句を「目に青葉」という人がいますが、「目には青葉」が本当です。本来の「目には青葉」では字余りで、「目に青葉」のほうが語呂がいいために、間違った句が一人歩きをしてしまったのでしょう。
 さて、地域や季節によっても食材の味は異なります。カツオが九州や四国周辺を回遊している頃は脂あぶらの乗りもよくありませんが、その地域の人たちはそのような味を好み、さらに北上して関東近海へたどり着く頃の、脂の乗ったものを好むのは関東以北の人たちだそうです。
 味はさておき、江戸っ子は初ガツオを手に入れるためにかなりの出費をしたようです。嘉永6年、喜田川森貞の随筆「森貞満稿」に、「初めて来るカツオが一尾二両も三両もするのに、みんなが争ってこれを買う」、というようなことが記しるされています。当時の2両3両が、現代の物価に換算していくらくらいかわかりませんが、驚くほど高価だったことは確かなようです。
 冷凍技術がなく、小田原や鎌倉で釣られたカツオが、その日のうちに早飛脚で江戸へ運ばれた当時の初ガツオは、それほどまでに人気と存在感があったようです。


カツオ かつお 鰹 初鰹 初ガツオ)【厳選仕入】カツオ 1尾(約3〜4kg)千葉 静岡産 3263
本格派・炭焼き「カツオのタタキ1箱3.0kg」
釣もの!新鮮カツオ 【鮮度抜群!最高級のカツオをお届します。】【送料無料】

ラベル:カツオ
posted by プッチン at 08:38| 生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。