麦の仲間には、小麦や大麦、燕麦、ライ麦などがありますが、このうち小麦と大麦は、人類が農耕を始めた当初から栽培されていたという、農作物としてはもっとも長い歴史をもっています。
現在、小麦は穀物の中で世界第一位の生産量を誇り、麦類全体となると、世界の穀物生産量のおよそ半分を占めています。つまり、米よりも多いということになります。
この存在感はそのまま実用性の高さにつながり、麦粒のまま、あるいはパンに加工するなど、全人類のおよそ半数が、何らかの形で麦を主食にしているそうですから、その恩恵たるや絶大なものです。
麦の中で最も生産量が多いのが小麦で、一旦小麦粉に加工され、パンや麺類、菓子、麩などの原料として使われるほか、味噌や醤油の醸造原料にも利用されます。
俗に「麦飯」と呼ばれる食べ方をされるのは大麦で、ビールやウイスキーなどの醸造原料にも使われます。
燕麦はオートミール、ライ麦は黒パンや、ウイスキー、ウォッカなどの原料になりますが、ライ麦はかなり以前から生産量が減少しつづけ、現在では麦畑を見かけることも少なくなっているようです。