現在、一般的に呼ばれている山菜も、昔は特に山菜とは呼ばず、日々の暮らしに必要な食料として日常的に食べていたようです。
室町時代頃から野菜が本格的に栽培されるようになりましたが、野菜と山菜とを区別し始めたのは、どうやらその頃のようです。
ところで、現在はフキやワラビをはじめ、農家などによって栽培されるものがたくさん出回っていますが、本来の山菜は「山野に自生している草本(そうほん)や木の芽で、このうち食用になるもの」のことを言います。
その意味からすると、栽培されたものを厳密に言えば「山菜ふう野菜」、とでもいうことになるのでしょうか。
山菜採りには、食べる楽しみのほかに、自分で収穫する楽しさ、山を歩く楽しさ、自然に触れる楽しさなどがあります。そのうえ、自生している山菜は無農薬で、しかもただ。これだけいいことずくめなら、山菜採りに人気があるのもうなずけるというものです。
ここで気を付けたいのがマナーです。山菜を根こそぎ採ったり、山にゴミを捨てたりしないようにしたいものです。山菜を採り尽くされたあげく、文字通りゴミの山となって、ついに入山を禁止した山もあるそうです。
ワラビやゼンマイなどはよく知られた山菜ですが、身近なところではタンポポやオオバコ、ツクシなどのほか、ペンペン草の異名でおなじみのナズナなども山菜に含まれます。
改訂新版 北海道山菜図鑑 (ALICE Field Library)
よくわかる山菜大図鑑―新芽 葉 実 花