2013年03月31日

別れを惜しむ歌「蛍の光」の原曲はスコットランド民謡

 きょう31日は3月最後の日。3月は、官公庁や多くの民間企業などでは年度末であり、また、学校では卒業式も行われるなど、3月という月には、締めくくりや総仕上げといった印象があります。
 卒業式では、言葉では表せないほどの感動におし包まれる一方、友人と離ればなれになるなどで、つらい思いをすることになる人も少なくありません。
 そうした別れを惜しみ、寂しさを歌った惜別の歌が、蛍の光という曲です。
 この歌が世に出たのは明治14年のこと。文部省の音楽取調掛(とりしらべがかり)が編集した小学唱歌集に、「蛍」という曲名で発表されました。
 今日では、卒業式には欠かせないほどに定着した名曲ですが、じつは、もともとは外国の曲でした。原曲はスコットランドの民謡で、これに18世紀の詩人、ロバート・バーンズが詩をつけた「Auld Lang Syne」、日本語で「久しき昔」という曲でした。
 バーンズの詩は、久しぶりに顔を合わせた幼なじみとともに、いっしょに遊んだ少年の日々を思いだしながら、酒を酌みかわすという意味のものです。
 日本語の歌詩はバーンズの詩を訳したものではなく、当時の日本の社会的背景をもとに、日本向けに作詞されたものです。
 「ほたるの光窓の雪」の言葉は、日本では「蛍雪」とも表されますが、意味は中国の故事に由来しています。晋の車胤という学者は家が貧しくて油を買うことができず、夏の夜は錬り絹の袋にたくさんの蛍を入れてその光で勉強し、また、同じく貧しかった孫康は、冬の夜、窓辺の雪の明かりで書を読んだというものです。
 この故事は江戸時代の武士の教育などに採り入れられていて、このようなことから歌詞にも登場したようです。
 四番まである詩の一部には、軍国主義をにおわせる言葉もありますが、現在は一番と二番だけが歌われ、単に惜別の歌として歌われています。
 日本語の歌詞の作詞者は長い間不詳でしたが、今では稲垣千頴(いながき・ちかい)という人と判明しています。

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ラベル:卒業式
posted by プッチン at 08:47| 生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月30日

ナノハナもアブラナも菜種も同じもの

 ようやく本格的に春らしくなりましたが、風景にはまだあまり色気がたりません。そんな中で、鮮やかな彩りを添えるものにナノハナがあります。存在感や派手さではサクラに譲りますが、代表的な春の花のひとつであることには違いありません。
 ナノハナは菜種とも呼ばれますが、これらはいずれも俗称で、本名はアブラナです。ついでに申しあげますと、ナノハナが属するアブラナ科は世界で375属、3200種が分布します。日本には、そのうちの21属60種が自生しています。見た目は似ていませんが、キャベツやカブはアブラナの親戚筋にあたります。
 アブラナからは、その名が示すように油がとれます。それが菜種油と呼ばれるもので、日本ではもっとも歴史の古い油です。つまり、日本人が初めて使った油で、言わば油の元祖、長老といったところでしょうか。
 その菜種油は、健康に有効なリノール酸やオレイン酸などを豊富に含む優秀な食用油です。消費量も多く、大豆油に次ぐナンバー2の座を占めています。菜種油は、圧搾法という製法で、アブラナの種子を搾ってとります。搾ったあとの油かすは、家畜の飼料や園芸植物の肥料として利用されます。
 ナノハナは、昭和30年代頃までは水田の裏作物として各地で盛んに栽培されていました。ところが現在、菜種油用としての栽培は、安価な外国産に押されて減少の一途をたどり、観賞用や家畜の飼料用としての栽培に収斂されつつあるようです。
 「菜の花畑に入り日薄れ」という歌い出しの、文部省唱歌「朧月夜」は、大正3年に作られた叙情あふれる名曲です。作詞は、小学校の教員だった高野辰之、作曲は岡野貞一です。当時、高野辰之が下宿をしていた長野県飯山市には、ナノハナがそこここに咲き乱れていました。この時代には、飯山市に限らず、全国各地の田畑をナノハナが彩っていました。
 ナノハナもアブラナも同じもの。なのに、「油菜畑に入り日薄れ」と歌うよりは、「菜の花畑に入り日薄れ」のほうが、なんとなく情感が豊かな気がします。ナノハナかアブラナか。どちらの呼び方がお好みでしょうか。

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posted by プッチン at 08:39| 植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月29日

鞠のような藻だから「マリモ」

 今日はマリモ記念日です。1952(昭和27)年の3月29日、北海道阿寒湖のマリモが国の特別天然記念物に指定されたことを機に制定されました。今回はマリモ記念日にちなんでマリモを取りあげましょう。
 マリモは緑藻植物で、シオグサ科の淡水藻です。分枝のある細い糸状体が中心部から伸び、複雑に絡み合って球状の塊になることから「鞠の藻」という意味で「まりも」の名が付きました。
 マリモは、オーストリア人医師で植物学者でもあるザウターが、1823年にオーストリアのツェラー湖で採取し、発表したことから知られるようになりました。日本では、ザウターの発表から75年後の1898(明治31)年、植物学者の川上滝弥が阿寒湖で発見しました。
 発表時の名称は「まりも」でしたが、湖畔に先住していた人たちは古くからトーカリップ(アイヌ語で「沼を転がるもの」という意味)と呼んでいて、乾燥させたものを座布団の綿代わりにしたり、針刺しとして利用したりしていました。
 阿寒湖のマリモは濃い緑色で、大きいものでは25センチにもなりますが、これは世界的にも類を見ない大きさです。マリモは球団が大きくなるにつれ、中央部が中空になります。まれに、その中空の中に小さい塊が入っていることがあります。マリモの中のマリモがあるというわけです。
 形がかわいいことや珍しさが災いし、一時はマリモが売られたり観光客が持ち帰ったりして減少したことがありました。また、水力発電所の過剰な稼働による水位低下で枯死する事態もあり、危機に陥ったこともありました。
 成熟などで球団が解体すると、ばらばらになった小さな塊は湖底に沈んだり、水中や水面を浮遊したりします。沈んだものは湖底を転がり、水面に浮いたものは波打ち際を転がったりします。そうしながら生長し、再び球団になっていきます。
 日本のマリモは阿寒湖のほか、同じく北海道シラルト湖にもあります。山梨県山中湖や河口湖、青森県小川原湖沼群のうちの一部には近縁種のフジマリモが見られます。


天然マリモのビックサイズ1個と養殖マリモ3個入り(コルク瓶)
マリモのエサ


posted by プッチン at 10:08| 植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月28日

ヒバリの名の由来は晴れた日に飛ぶ習性

 春の鳥として知られるものにヒバリがあります。気象庁の観測によるヒバリの初鳴日は、早いところで2月半ば、遅いところでは4月半ばとなっています。
 人間は雨の日に行動することが億劫になりますが、どうやらヒバリも同様らしく、雨の日には活動を控え、晴れた日を選んで飛ぶようです。このことから、古くは「日晴る鳥」や「日晴れ鳥」と呼ばれていて、それが訛って「ヒバリ」となったというのが、名前の由来だそうです。
 漢字で「雲の雀」と表すように、学問上ではスズメ目に属します。そういえば、体長こそ雀より一回りほど大きいものの、色合いや姿形がよく似ています。極地以外の世界中に分布し、日本には全土に生息しています。
 「生活場所」は木の上ではなく地上で、田畑や野原、海浜などの広い場所を好みます。新天地を求めたがるのは人間ばかりではないようで、森が切り開かれたりすると、たちまちそこへ生息範囲を広げていきます。
 とはいえ、昔はともかく、現代では森が切り開かれても、そこにできるのは野原ではなく、舗装された地面や建造物ばかり。そればかりか、本来の田畑や野原さえ減少の一途をたどっています。土地不足の波は、ヒバリの世界にも押し寄せているようです。
 巣も木の上には作らず、草地や小規模なやぶ状の場所に作ります。ヒバリがさえずりながら飛ぶのは、この、自分の巣の上空です。この行動は縄張り宣言ですが、人間界でいえば制空権といったところ。当然、警告を無視して「領空侵犯」する鳥とは喧嘩になってしまいます。
 ところでこの縄張り宣言、反対の見方をすれば、わざわざ巣のありかを敵に教えているようなもの。やぶへびになりはしないのでしょうか。
 第二次世界大戦前には、この習性を利用した「揚げひばり」という競技が流行しました。籠に入れて持ち寄ったヒバリを一斉に放して飛ばせ、籠に戻ってくるまでの時間を競うというもので、滞空時間が長いほうが勝ちとなります。ちなみに、一般的な滞空時間はだいたい5分から10分程度で、飛んでいるときの高さは100メートルほどだそうです。

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2013年03月27日

舌も「牛肉」尻尾も「牛肉」

 今日は先日伝えきれなかった肉の部位についてお伝えします。
 肉としてはちょっと筋が多めで硬く、好き嫌いが分かれるのが「すね」です。すねは四肢のふくらはぎで、発達した筋肉が集中しています。肉の量は筋肉のそれとほぼ同じというところです。主としてひき肉などに利用されますが、硬いためにシチューやスープなど、煮込む調理に適しています。
 「かた」は体を支えたり運動したりする部位のため筋肉が発達し、肉質は粗くて硬いのが特徴です。筋や筋膜を取り除けばすき焼きやしゃぶしゃぶなどに使えます。また、ゼラチン質やエキス分を多く含むため、じっくり煮込むと味わい深い料理ができます。
 「かたばら」は肋骨周辺のかたに近い部位です。適度な脂肪としまった赤身肉が層をつくる三枚肉は風味が濃厚。でも、少々硬いのが難点でしょうか。薄くスライスして惣菜用に利用するほか、煮込みや塊肉の蒸し煮などに使われます。
 「タン」は舌ですが、西洋料理ではタンシチューなどで知られるように、高級食材として立派な地位を築いています。筋肉質なので全体的に硬く、先端は筋っぽさが目立ちます。反対に付け根部分は軟らかめで脂肪分も見られます。主としてシチューや焼肉などに利用されます。
 「レバー」は肝臓です。肉質も風味も独特ですが栄養価は高く、ビタミンAや鉄分などを豊富に含んでいます。新鮮なものは刺身として食されますが、焼肉、揚げ物、ロースト、パテなどに調理されます。
 「ハツ」は心臓。これはもう肉というより筋肉で、脂肪分はほとんどありませんが、ビタミンB1やB2、鉄分、タウリンなどを多く含んでいます。筋肉質なので風味は淡泊ですが、逆にコリコリとした独特の食感が好まれ、焼肉や煮込みなどに多用されます。
 ほかにも、第一胃「ミノ」、第二胃「ハチノス」、第三胃「センマイ」、第四胃「ギアラ」、横隔膜の腰椎近くの「サガリ」、胸腔内壁に付いている横隔膜「ハラミ」、「小腸」、さらには尻尾「テール」と、人間は牛のほとんどの部分を食べてしまいます。
 牛には感謝しなければなりませんね。

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posted by プッチン at 09:06| 食品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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