ビスケットの起源は古代ギリシャですが、もちろん、現代のものとは形も質も異なり、簡単にいえばパンのようなものでした。これがヨーロッパへ伝わり、期間が長い船旅や、軍用のための保存食として活躍します。コロンブスやマゼランも、探検に出るときにはビスケットを船に積んでいったそうです。
日本にビスケットが伝来したのは1550年代のこと。ポルトガル人によって、ビスカウトという名前の南蛮菓子として長崎へ入ってきました。それからしばらくの間は、外国人向けなどとしてほそぼそと作られていただけしたが、江戸時代末期から明治時代にかけ、軍用食として開発する動きが起こりました。じつは、このことがビスケットの日制定と関係があるのです。
江戸時代の安政2年、水戸藩は軍用のためのパンの製法を研究させるため、柴田方庵(しばたほうあん)という蘭方医を長崎へ派遣していました。
オランダ人の職人から製法を学んだ方庵は、ある日、水戸に在郷の荻信之助に製法を書き記した手紙を出します。この日が1855年2月28日のことで、全国ビスケット協会がこれを記念し、ビスケットの日を制定したものです。
方庵が手紙を出したのは、ビスケットが長崎へ伝来してからおよそ300年後のことでした。ビスケットが一般的な菓子としてデビューするのは、方庵の手紙から20年後の明治8年のことです。
ところで、ビスケットの語源はビス・コクトゥスというラテン語で、これには「2度焼かれたもの」という意味があります。これが後に、「2度焼かれたパン」を意味するビス・コクトゥス・パニスに変化したりしますが、現在の名称、ビスケットは、ビス・コクトゥスが訛ったもののようです。ちなみに、アメリカではクッキー、フランスではサブレと呼ぶのが一般的だそうです。
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